お知らせ

11月1日より11月30日まで

井坂健一郎 ”いつか風になる”展を開催しております。

ミロのヴィーナスは大理石で出来ています。なのでギリシャ時代から今まで形を留めて残っています。大理石は、その時代で唯一後世まで残る素材でした。
ダヴィンチは輪郭を描かずグラデーションと遠近法で絵を描くことを発明したので評価されています。
クールベは、パリ万博に自分の作品が選ばれなかった腹いせにパリ万博の入口近くに場所を借りて自分の作品だけを観せることをして絶賛され世の中ではじめて個展をやった人です。

印象派の人たちは、今までの絵画は神話や聖書の一場面やクライアントの注文で描いたものを「俺には、こう見えるんだ!」と自己表現をした最初の人たちです。
セザンヌは、それまでの絵画は一定の視点から描かれたものだったのを多視点から見たものを一枚の絵にあらわしました。
その多視点を元に論理的に絵を描くことを発明したのがピカソなので評価されています。
マルセル・デュシャンは反藝術という作家自身のオリジナリティーと美の賞賛を否定して概念藝術というものを発明しました。そして、今までは作家が鑑賞者に一方的にアプローチをしていたのものを「さあ、貴方はこれを観てどう考える?」と方向性を変えてしまいました。

今では古典と言われる人たちも、その時代では今まで常識だと思われるものをぶっ壊してきたアバンギャルドな人たちです。その当時では一般的には受け入れがたいものの象徴です。
そんな風に現代アートというものを見ると面白いものです。歴史に名前が残っている藝術家は感動する絵や絵が上手いから評価されたのではなく『今』というものを象徴していたり今までにないモノを発明した人たちなので評価をされています。幾ら絵が上手くても、どこかで見たことのある物だと評価されません。
今回コヒーレントギャラリー(餅匠しづく内)で行う美術家の井坂健一郎さんの作品を、そういう視点で見ると色んな発見があります。
例えば、作品はチタンという支持体で出来ています。現時点ではチタンという素材が最も耐久性があり後世まで残る素材だとされています。そのチタンという支持体は『現代』という事を現しています。少なくとも純度の高いチタンを取り出せたのは昭和の時代からでありチタンプレートにUVプリントで絵画、写真、版画を統合する独自の作品を作れるのはここ数年の最先端技術でないと出来ないということです。1000年後に発掘された時には、このチタンプレートが残っている確率が今の時点では一番高いということです。
そして、このチタンプレートを見た時に少し視点が変わるとチタンの皮膜により見え方が変わります。セザンヌの多視点は絵の中で固定されていますが、このチタンプレートの作品は場所によったり光の強さや角度、そして鑑賞者の位置によって見え方が全て違ってきます。言い換えれば二度と同じ絵を観る事が出来ないということでもあります。
それと、この作品の一番の素晴らしい点は、その空間を最適化することです。チタンというのは医療に使われるように人間の体にはとても親和性がある金属です。それに空間の電子を集める働きがあります。
なので「空間が良い場になりますよ」と、その程度のことは一般的で皆んなが知るところで驚きでもアートでも何でありません。
この作品に仕組まれた、その先のことを現在では『マッドサイエンス』と非難されるかもしれません。
逆に現代に置いてマッドサイエンスじゃないと現代アートとは呼べないのかもしれません。(そのマッドサイエンスの部分は作家の井坂先生に聞いてもらえればと思います)
そんな目線で今回の展示を観て頂けると、より興味深く観て頂けると思います。

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