芦屋『上』この一年大惨敗でした。
11月5日で 芦屋『上』一周年になります。
わざわざお越し頂いたお客様には本当に感謝しておりす。
芦屋にお店を出す前に
『餅匠しづく 芦屋店』にするのか
全く違った『研究と実験の場』としてのお店にするのかという葛藤がありましたが、後者を選びました。
なので、お菓子も内装も全てそのように出来ています。
一番のコンセプトは、この時代に生きている《ひと》が新しい地層に何を堆積するのかということです。
それを象徴するのが土とにがりと水だけで作られた大きな物体です。
(床、壁、天井もそうです)
その物体は地層のようになっていて、この一年の間に何人の人が気づいてくれたか分かりませんが、一番下の層には隕石が埋まっていたり時代が進むに連れ化石や鏃などが何処に埋まっています。
そして、空間には世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割の受粉を行なってくれているミツバチが飛んでいます。
そんな新しい地層に
《うちの店が堆積させたくないもの》
日持ちや見た目を重視するための添加物
美味しさや綺麗さだけのお菓子
ファンタジーが上回っているお菓子
体にリスクになるお菓子
過剰な包装
ポップカルチャー的な健康情報
でも、これとは逆のものが賞賛され堆積されていると感じています。
「美味しいです」
と言われると戸惑います。
先ずは体に良いものを最優先して味のことは二の次になってしまっているので
美味しさには責任は持てていないんです。
まあ、そんなことを言っているので惨敗は当たり前かもしれません。
かと言って意に反して賞賛されるお菓子を作るわけにはいきません。
そのことは、店のサインにも現れていて
店名が木に彫られた看板を掛けているのではなく、ペイントされてるわけでもなく躯体に彫られています。
一生消えないタトゥーのようなものです。
なのでしょんぼりしているわけには行きません。
『研究と実験』を続ける中で内装からお菓子まで変わった店ですが(一年で床は掘れて台は朽ちかけている)
うちのお菓子を食べていただいた後の方がより良い状態になることには責任は持てますので
どうか応援のほど宜しくお願い致します。
芦屋『上』