お知らせ

20222/1

【お願い】

【お願い】

   ー いちご大福2.0 ー

うちの店では他所のお菓子屋さんと同じものは作らないというルールがあります。

「いちご大福売ってるじゃないですか」と言う声が聞こえて来ますが、うちの『いちご大福』は特別だと思っています。

ネットで検索すると直ぐ出てくると思いますが、残留農薬が一番多いと言われる作物は苺なんです。

それだけ農薬を使わずに栽培するのが難しい作物ということになります。

その苺を農薬はもちろん肥料も使わず自然農法で苺を栽培出来るのは世界中探しても、たぶん熊本県の小さな苺農家さん一軒だけです。

(もし居たら教えて欲しい。もちろん形は綺麗で甘くて美味しい苺が最低条件です)

『苺』『小豆』『餅粉』『砂糖』

この全ての素材を無農薬栽培でつくる『いちご大福』は無いです。

(もし、あったらごめんなさい)

『いちご大福』というのは世の中で最もオーガニックで作るのが難しい食べ物とも言えます。

うちの店を以前からご存知の方は知って頂いていると思うのですが無農薬の苺がない時は作っていませんので、3年程いちご大福を販売していない期間がありました。

その理由はちょっと深刻で無農薬無肥料で苺を育てようとすると通常の慣行農法の収穫量の1/6程度になるそうです。

その苺農家さんは苺しか栽培していないので、その自然農法を維持しようと思うと6倍の値段で売らなければなりません。

なので大丈夫なのかと、いつも心配はしていました。

当たり前なんですが市販の苺が一粒50円だとすると300円で売れなければ成り立たず経済的な理由で貴重な苺の栽培が出来なくなっていたのが現状です。

そんな状況を憂いていたのですが、以前よりお父さんと一緒に苺栽培を手伝っていた娘さんが今シーズンから一念発起して苺づくりを再会してくれました。

そのブランクの間にも色んな勉強や試行錯誤して今年の収穫量は慣行農法の1/4位まで収獲量を増やすことが出来たようです。

うちの店もなるべく高い値段で購入させて頂いていますが市販の4倍とまでは程遠い値段ですので、少し値上げさせて下さい。

勿論、値上げさせて頂いた金額は全て苺農家さんに来シーズンの為にお返し致します。

こういうことを書くとオーガニック至上主義だと思われそうですが、そうではありません。何故応援するのかと言うと

この苺で分かるように全ての作物が自然農法になると収穫量が激減して農薬のリスクより食料危機という大変なことになってしまいます。

そのことを考え合わせると超困難な苺の自然農法という技術が存続され多数の作物を栽培する方の知るところになれば他の作物にもハードルを下げたかたちで自然農法が取り入れられ生産量が増えるのではないかと思っています。

(そうなると農薬や肥料を作る人の経済的な問題が発生しますが環境問題に沿ったものへの移行を希望します)

本当に大袈裟な話でなくお水をあげるだけで人が何もしないで形が綺麗で甘い苺を栽培出来るのは奇跡のようなものですので貴重な農法を残す為にご理解とご協力頂けると嬉しく思います。

宜しくお願い致します。

     餅匠しづく  石田

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